バリ(インドネシア)
2007年7月11日-19日
このホテルには9日間滞在し、パリのホスピタリティを堪能した。
オープンエアのロビーに一歩足を踏み入れた瞬間、眼の前には海が広がっていた。吹き抜ける風に、ふっと気持ちがほどけていく。ロビーからもプールからも海を望む絶好のロケーションにある。海に注ぎ込むようなプールから望むサンセットは、格別に美しい。
敷地内には色とりどりの花が咲き、神に捧げる供え物が置かれている。ここは「何もしない贅沢」を楽しむための場所。通常の客室のほかに離れ形式のヴィラがある。前庭に小さなプライベートプールが付いている賛沢な造りだ。スタッフの九割以上がバリ人。彼らは短い滞在であってもゲストの名前を覚えて挨拶し、こちらが何かに対して礼を述べると、顔の前で両手を合わせて礼を返す。ヒンドゥー教に由来する美しいその仕草と柔らかな笑顔に接するうちに、自分が身にまとっていたせわしなさから知らず知らず解放され、時間がゆっくり流れ出すような錯覚にとらわれていく。